2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ミクロ政治学的探求(3)——奴隷の時代(続)

前回(2)の記事↓ hh26018823.hatenablog.com ■ニーチェの批判 ニーチェは「奴隷」という存在に対してまったく「同情」をしない。ニーチェにとって同情心は唾棄すべきものであるのだが、その論点は省くとしても、ニーチェは奴隷存在をすさまじく批判する。…

ミクロ政治学的探求(2)——奴隷の時代

(1)の記事は以下 hh26018823.hatenablog.com ミクロ政治学的探求(2) ■資本主義とオートポイエーシス 現代は奴隷の時代である、ということを命題として検証してみたい。現代は奴隷である、と言うとき、それは人間みなが奴隷に「成り下がっている」とい…

新現代思想入門(1)——2000年代の西洋思想

「現代思想」。その言葉は、基本的には1950~1999年あたりのフランス現代思想を中心的には指す。構造主義の「4人組」、レヴィ=ストロース、ラカン、フーコー、ロラン・バルト。ポスト構造主義の三人組、デリダ・ドゥルーズ・(フーコー)、現象学のミシェ…

ニーチェ『曙光』から考える(1)

ニーチェのアフォリズム形式の文章が連なる『曙光』はニーチェの中期の作品である。この前に、『人間的な、あまりに人間的な』という2巻にわたる長大なアフォリズムの書物を出版しているのだが、生前で刊行されたニーチェの本の中でも『人間的な』は一番評…

文学の危機——日本の言説状況について

■はじめに総括 下の欄では、思想界隈、批評界隈、文学界隈で出てくる著名人の名前で僕が関心がある人の状況を個人的に連ねているのだが、まぁみんなどっこいどっこい。特に現代思想は今オモシロクなっているので、これからも需要がある限りは本屋にも配架さ…