Twitterに1000字でも書けようものなら……ある男の手記23/5/23

 

 

 なんというか。僕はもう没落していくのだろう。俺はと言いたくなる。俺はこのまま没落していくのだ。金銭的な没落といわず、肉体的な没落といわず、とりもなおさず人間の形態として没落するのだ。否-人間への降下だ。俺は灰になるのだ! 煙草をふかす人間の側じゃない、少しずつちぢれていく葉巻の方でもない、僕はその腐乱臭の漂う葉巻の残骸だ。燃え滓にすぎないのだ。煙草を口元から落とした人間が足元でクシャッと踏みつけて去っていった。俺は雨の滴る冷えたコールタール道路の上で、今もうずくまっている。

 否-人間とはよく出たものだ。非人間ではない。否人間、人間の強き〈否定〉。アンチ・ヒューマン。そういったものだ。ペテンになるしかない。僕は、そういった僕を馬鹿にする者たちのことを笑い飛ばすことしかできないのか。それこそは本当の狂人というものではないか。そこでこそ僕はひとかどの存在になれるのだろうか、はたまた? この手記はとてもシンプルで、要するに僕はもう自分の限界を見極めたということだ。自分を見極めるのにもいくばかの修練と魂胆がいるということだ。三十という年齢においてやっと。遅い。もう己に期待はできない、これっぽちも。俺は下落していく。どこまでも落ちていく。没落-大衆。アバヨ、世間。